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楽器の構成部品と音“その一”

 仕事柄、あちらこちらの(といっても都内の事だけれども)チェロの展示会に出向く。
昨今の楽器製作レベルは一昔前よりも格段に上がっているようで、
イタリー製でなくとも素晴らしく良く鳴るのには感心する。
 
 しかし気になる事が有る。

 それらの楽器の中に、
100万以上もするチェロなのに、
黒檀に見えるようにクロく塗ってある、
粗悪なエンドピンの軸受けが付いている物があった。

 楽器製作者は職人気質で、本体さえ立派に作れば良いと思っているのだろうか?

 さて、ここで“本体”とは何だろう。表板、裏板、側板、棹にヘッド........

 それじゃあ指板は、糸枕は、魂柱、駒、ペグ、
テールピース、テールピース・コード、サドル(テールピース・コードを受けるところ)、
エンドピンの軸受、エンドピン、それに弦も.......

 これらは交換が可能なのだが、
どこまでが”作り手(あるいは売り手)”の責任で、どこまでが”買い手”の責任なのだろう?

 それはともかく、

 ”自分の楽器”を構成するどの部品が音質追求の結果で、
どの部品が経済効率追求の結果であるのかを、
われわれ楽器の”使い手”としては、とりあえず知っておきたいものである。

 つづく!
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溝口さんの椅子

 昨年の12月、
溝口肇さんが、
チェロを弾く為の椅子を企画して会社まで立ち上げたというので、
早速座ってみたいと、とある赤坂のスタジオにおじゃました。
 溝口さんが「椅子」を作ろうと思ったのは、
あちこちのホールや会場にはろくな椅子が無く、
ピアノの高低椅子が有っても「ガタつき」や「きしみ」で、
どうも演奏に集中出来ないし、
「音も悪い」とつくづく思ったから、らしい。

 この「音も悪い」というのは、
もちろん自分がそれに腰掛けて出す音のことなのだが、
「椅子が悪いと良い音が出ない」
という意識を彼がすでに持っている事がスゴいと思う。

 一昔前、LPレコード全盛期のオーディオ評論家で、
自作スピーカーで有名だった長岡鉄雄氏が、「音を聴く時に座るなら、切り株にかぎる」
と何かに書いていたことがある。
聴く人が椅子を選ぶというなら、弾く人が選ぶのはあたりまえだ。

 やっぱりその昔、実は、ピアニストの松浦豊明氏が、
某渋谷の弦楽器店の親方に
「楓の木でピアノの椅子を作って」と頼んでいたことがある。
先人もいたのだ。

 さて、肝心なのは腰掛けて弾いた結果だ!
溝口さんの作った椅子はカエデとナラの2種類あり
、がっしりとしてどこにもゆるみが無い。

 まず楓の椅子で弾いてみる。
おお!なんと......
静かだ!

 この感じは何だろう?
音が自分の周りに滞留しないで、すーっと離れて行く!
透明感!

 次にナラの椅子、楢の方が重い。
今度は静寂感と共に音に力強さが増した。

 どちらも素晴らしい椅子だ。
「清らかさ」の楓、
「力強さの」の楢、というところか。

 思うにこれは、音源の定位が、
しっかりと揺るぎなく確立する、という事だろう。
 
 楽器は床と自分の身体で支えている。
床はしっかりしているとしても、
もう一方の支えである「ひと」がまずしっかりと支えられていなければ、
音源の定位が揺らいでしまう。

 音源の定位の確立が静寂感なのだ。 
 支えの支えが椅子なのだ。
 
脱帽!

溝口さんの、音を追求する情熱と、勇気に乾杯!

http://archcello.com/gallery(溝口さんのHP)
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